自立式鋼矢板の根入れ長決定方法


新・道路土工指針によると2.5/βとなっています.
これは,少し説明不足ではないかと思います.
私は今まで,チャンの式で計算確認をしていました.
チャンの式は次の式を使っていました.
   
この式は「突出した杭」の「くい頭自由」の「たわみ角が0となる深さ」の式です.
この式のhに掘削深さ土圧作用高さをcm単位で入れて計算します.(ラジアンです)
今回たまたま計算したケースはSP−2型でした.このケースで逆に計算してみるとh=37cmです.
しかし,2.5を適用すれば,根入れ長として,7.06mという結果が出ます.
これは,2.5/βに,くいの突出高がパラメータとして与えられていないため,当然なのですが,
土質のデータが同じであれば,どのような掘削深でも,全く同じ根入れ長が算出されることになります.
私の解釈が悪いのか,間違った計算をしているのか不安なので,
皆さんはどう思われるかをお聞きしたいと思います.

199912.29訂正 hは掘削深さではなく土圧作用高さのまちがいでした.
            久保島さんより訂正指摘を頂きました.ありがとうございました.

2000.01.04 更新 あちこち調べましたが,いまいち説得力に欠けるので,本日「日本道路協会」に
             質問状を提出しました.回答あるかどうか判りませんが,待ってみたいと思います.

2000.01.16 更新

どうもこのページが気になっています.
ちょっと考えたことを書いてみます.

1.チャンの式を使う前提として,無限長の杭とするのではないか.仮定で杭を無限長としているのに,
  計算結果で短い杭となった場合,これを再解析しなくていいのか.その場合はどの式を使うのか.

2.「たわみ角が0となる深さ」で根入れ長を計算しているが,「曲げモーメント第一0点」か.またはその1.5倍か.


もうちょっと調べます.


2000.05.16 追加

ほったらかしにしていたわけではありませんが,長い間私も忘れていた懸案について
有限会社 ワイテック  の やまちゃんからご意見いただきました.
本人の了承を得ずにここに掲載いたします.(同日追記:ご本人の了承を得ました)

やまちゃんこと山崎です。チャンの式は港湾基準に詳しく書いてあります。
私の知ってる範囲でお答えします。
1.チャンの式はあくまで無限長の場合のみですから、短い杭の場合は適用できません。
 もし短い杭になったなら、あくまで無限長の条件を満たすように杭を長くすべきです。
2.無限長とするための最小根入長は1.5Lm1(Lm1;曲げモーメント第一ゼロ点)です。
3.無限長とするためには、本来最小根入長が3/βとすべきですが、2.5/βにした
  真意は是非聞いてみたいです(たぶん無理でしょう)。


チャンの式は,私も大昔,「港研法」を使うに当たって『港湾の施設の技術上の基準・同解説』で勉強しました.

1.については私もそう思います.同じ考えですね.
2.についてはやまちゃんのおっしゃる通り「曲げモーメント第1ゼロ点」です.これは私の間違いです.
したがってこの式も



を使うのが正解ですね.

3.については私のうる覚えでπ/βというボーダーラインで長い杭か短い杭かという判断をする.
このことでしょうね.

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